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深川の佐賀町に住む、倉岡元庵という医者が亡くなり、残された女房と娘お里は故郷の下総の大貫(おおぬき)村にもどった。
大貫村の名主の源右衛門からの頼みで、「息子の源太郎が見初めてしまったのでお里を嫁にくれ」との依頼であった。
娘の幸せになる事だからと思ったが、貧乏なので嫁に出せない。名主の方では母親ともに面倒を見るという。その上、支度金として50両出すという。
名主は婚礼を急ぐので、衣装は誂えていたら間に合わないので、古着にする事にし芝日陰町の古着屋、江島屋に行き、婚礼衣装や普段着を45両2分で買い求め、船便で送らせた。
婚礼の日、花嫁は馬に揺られて名主宅まで行くのだが雨が降りだし、着く頃には濡れ放題に濡れてしまった。
嫁の給仕で7~80人もの来客を接待していたが、酒が回った客に着物の裾を踏んづけられ、のり付けされたイカモノの婚礼衣装は下半身が取れてしまい、お里はそこに泣き崩れてしまった。名主は怒って「破談だぁ、やめたー。」と言う事で、婚礼は破談になり家に帰ってきた。
お里さんが居ないので探しに行くと、十七になるお里は神崎(こうざき)の土手に恨みの着物の片袖をちぎって、柳に掛けて身を投げてしまった。その死骸も上がらなかった・・・・・・・・
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